2025年6月13日 くもり

僕は何度も自分に忠告してきた。――これ以上、深く愛しすぎないように。これ以上、近づきすぎないように。

君の空に虹を描いてあげたいと、ずっと思っていた。少しでも君の世界が明るくなればと願って。でも、虹が消えてしまった後の寂しさや痛みを考えると、どうしても一歩を踏み出すことができなかった。

だから、ただ遠くから君の無邪気な笑顔を見つめて、それを胸にしまい、静かな夜の夢に預けるしかなかった。君がつらいとき、誰かに守ってほしいとき、僕は真っ先に駆け寄って抱きしめたかった。君の前に立って、ヒーローのように君を守ってあげたかった。

でも、青春という時間には、悔いや感動があふれすぎていて、思うように踏み出すことができなかった。

だからこそ、僕は何度も自分に言い聞かせてきた。感情のままに進んではいけないと。愛するということは、一瞬のときめきではなく、長い時の中で互いを抱きしめ続けることだから。

けれど、もしも愛しすぎたら、いつかその愛が別れを呼んでしまうかもしれない。そんな結末が怖くて、僕は一歩引いて、心にしまった言葉と感情を、静かな付き添いに変えた。君はきっと気づいていない。でも、僕はずっとそばにいた。

君は、わかってくれるかな。

もしかしたら、君もどこかで、僕と同じように待っているのかもしれない。

夜が明けて、新しい朝がやってきても、君の心がまだ僕に向いているのなら――そのときは、僕のすべての優しさと可能性を、君に差し出したい。

僕は何度も、自分に忠告してきた。

約束を甘くしてはいけない。想いを暴走させてはいけない。たとえ君が一度も僕を振り返らなくても、僕はこの気持ちを、重荷にはしたくない。

ヒーローにはなれなくても、君の背中を静かに見守る影でいたい。

たとえ君に気づかれなくても、僕はここにいる。ずっと。