2025年5月24日 雨

いつか、きっとまた会える。そう信じていた。でも、愛にはきっと期限がある。お互いが変わっていく時間の中で、気づけば、その距離も少しずつ伸びていった。

時間が経てば、涙も痛みも癒されるって思ってた。けど実際は、癒えるどころか、その“癒し”すら、ただの「僕の思い込み」だったのかもしれない。

ただ静かに、何もできずに立ち尽くす。君のそばにいるのに、まるで案山子みたいだった。何も言えず、何も変えられず、それでも心の中ではずっと君を見つめていた。

秋の風が吹いて、僕の顔から、君の前でだけ見せられた笑顔をそっと奪っていく。

まわりにはどんどん人が増えて、その喧騒の中で、僕はただ――「ここにいたよ」って、誰かじゃなく、君にだけ伝えたかった。

君の世界に、たしかに僕はいたんだ。君と出会って、確かに同じ時間を過ごした。けど、その期限が僕から全てを奪っていった。

何度も、君の言葉や沈黙の中に火を灯そうとした。

君の気持ちを知りたくて、ただもう一歩近づきたくて。でも、その火は何度灯しても消えていった。まるで、息を合わせるように近くにいたはずなのに、僕はずっと、静かな案山子のままだった。君の隣にいながら、声をかける勇気も、届く言葉も持てなかった。そして気づけば、君も僕も、あの頃の「私たち」じゃなくなっていた。

ただの思い出。

ただのすれ違い。

ただの僕の片想い。

君が笑っていたあの光の下に、僕もちゃんと立っていたこと、僕はきっとこれからも忘れない。

たとえ君にとって僕が、ただの誰かでしかなかったとしても、僕は――君に出会えて、本当によかったって、そう思ってる。